2013年08月19日

はだしのゲンが消えて行く?

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毎日暑いです。
今年の暑さは本当に異常ですね。
ここまで暑い日が続くと、もうヘロヘロになってしまいそうです。

8月は夏真っ盛りで、各地で夏祭りがあったり、海水浴に行ったりと、楽しい月です。
その一方で、広島・長崎の原爆投下の日、そして終戦の日と、哀しい歴史を振り返る月でもあります。
夏の強い日射しに照らされて、キラキラと輝く一面と、対照的に深く影を落とす一面と、そんな光と影の月でもある気がします。

今、よく知られている漫画を巡って、論争が起きつつある。
「はだしのゲン」
おそらく知らない人はいないであろう、本当に有名な漫画です。
もちろん私も読んだ事があるし、息子も一時期、夢中になって読んでいました。
数年前にはドラマにもなって、私もそのドラマを見て涙しました。

原爆の恐ろしさ、戦争の悲惨さを伝える意味では、とても重要な漫画であると思います。
漫画という、子供が入りやすい物から、戦争の悲惨さを教えるという事は、とても良い事だと思います。
しかし、この漫画が今なぜ論争を巻き起こそうとしているのか?

島根県松江市の教育委員会は、「子供にとって過激な描写があり不適切」として、図書館などに配置しない事にした。
この漫画を読むには、それなりの手続きをしないといけない事になる。
確かに「はだしのゲン」には、残虐なシーンが沢山出て来ます。
それが子供にとって不適切なのか?それは議論の余地があると思う。

しかし、私は別の面で、「はだしのゲン」に不適切な部分があると思う。
それは主人公のゲンが、「日本が戦争を始めたから自分たちはこんな酷い目にあった」「戦争を始めた天皇が悪い」「日本軍は中国で人民を虐殺した」などと、日本を徹底的に「悪」として描写している点。
私もこの漫画を読んで、それが真実だと思い込んでいた時期があるし、息子もそれを口にした事があった。

私は大人になってから、それこそ最近になって、ようやくそうではない事を、自分なりに情報を集めて理解した。
しかし、純粋な子供達は、漫画を見ればそれが真実だと思い込む。
日本は戦争で悪い事ばかりしてきたから、罰として原爆を落とされた。
そう思い込む子供が出て来てしまう。
現に私がそうでしたから。

息子にも、事実ではない事がある事を聞かせているので、息子は間違った認識はしていません。
でも、親がそれをたださなければ、子供はそれを信じきって大人になっていきます。
私がそうであったように。

「はだしのゲン」を「不適切」として図書館から排除するのなら、もっとしっかりとした理由を出して欲しいと、私は思います。
今の理由では、単に「表現の自由を奪う行為」と受け止められても仕方ありません。
それよりも、むしろ「事実と異なる部分がある」とか、「子供達に間違った歴史観を教える事になる」という理由で、論争して欲しいと思う。

作者である中沢啓治氏は、実際に原爆の悲惨さを目の当たりにしてきた方です。
誰よりもその悲惨さ、地獄絵を実感して来た方です。
だから戦争に対しての恨みとも言える思いは、誰にも否定は出来ないと思う。
その事を表現する事を止める事は誰にも出来ない。

しかし、あたかも「はだしのゲン」の中身が、全て真実であるかのごとくに描かれている事はやはり問題だと思います。
真実である部分と、必ずしも真実ではない部分。
そして作者の感情のままに描かれた部分。
そこを、しっかりと見極めて行かないといけません。

作者自身が、もうお亡くなりになっているので、今更中身を変える事は出来ません。
それよりも、この「はだしのゲン」に描かれている事を、しっかりと吟味して、事実とそうでない部分との違いを考える事が大事だと思います。
単に子供達の目から遠ざけるのでは無く、この漫画を読んで感じた事を、しっかりと大人が引き出す。
そこに描かれている事には、真実とそうではない、作者の思い込み的な要素もある事を、しっかりと子供達に学ばせる事の方が大事。
全ての事を鵜呑みにしない。複眼的な物の見方をする。そんな訓練にもなると思う。

物事の一部分だけを捉えて、そこで判断をする事があまりにも多すぎる。
物事にはいろんな要素が絡み、複雑になっています。
全体をしっかりと見て、その上で判断をして行って欲しいと思います。
posted by island(ふくはらしゅんじ) at 23:22 | Comment(0) | 私の思うこと
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