2005年04月28日

JR脱線事故に思う

兵庫県尼崎市でのJR脱線事故から、4日が経ち死者の数はついに100人を超えてしまいました。
事故原因も当初憶測されていた、時間の遅れを取り戻そうとしてスピードを出し過ぎた事に加え、カーブで急ブレーキをかけたことが要因との見方が強まっているようです。

亡くなられた方々の名前が公表され、自分の知っている名前がないか、ドキドキしながら確認しました。
誰も知っている名前の方はいなくて、安心する反面、こんなにも多くの方が犠牲になってしまったことの、悲しみが込み上げてきました。

TVでも亡くなられた方の、親族や友人の話を放送していましたが、どうしようもない悲しみと、何とも言えない悔しさ・怒りが交錯していて、見ていてとても辛かったです。

みんな普通の生活をしていて、普通に会社や学校等に出かけていって、突然変わり果てた姿で帰ってきたのですから、遺族の方々にしてみたら「何で、どうして?」という気持ちでいっぱいだと思います。

今回の事故要因である、時間の遅れを取り戻すための速度の出し過ぎ。
これは、日常的に行われていたようですね。運転士であれば当然遅れた場合には、少しでも遅れを取り戻したいという気持ちは解ります。
私たちも日常生活のなかで、時間の遅れを取り戻すために、車をとばしたり、多少無茶なことをしてしまうことは、誰にでもあることだと思います。

電車の運転士であれば尚更、「お客様に迷惑をかけては・・・」という気持ちが働くので、時間の遅れを取り戻そうとするでしょう。
しかし、今回の事故で浮き彫りになってきたのが、時間の遅れに対するJR側の罰則的対応です。
電車が遅れたら、運転士はかなり会社側から責められていたようです。

前回もこのことでつぶやきましたが、ミスをしたらミスした人間を責めても、何の意味もありません。
会社側は運転士に「ミスするな、ミスしたら罰則だぞ」という感じのプレッシャーをかけていたのではないでしょうか。
ミスは誰にでもあります。人間はミスをするものです。ミスを絶対にしない人間なんていません。

問題はミスをした時に、どう対処するのか。どうカバーしていくのかを会社側が教えていかなくてはなりません。
これは何もJRに限ったことではない気がします。
日本の企業って、この「ミス」というものに弱いように思います。

何かミスが発生しても、「何故ミスが起きたのか?どのようなプロセスでそうなったのか?」を考えていない気がします。
とりあえず、ミスでご迷惑をかけたお客様に陳謝して、ミスをした人を注意して、始末書を書かせて終わり。そんな感じがするのですが、気のせいでしょうか。

実際、私も印刷会社で働いていた時に、同じようなことで悩まされました。
私たちの仕事は、チラシやポスターのデザイン。時には冊子の仕事もしていて、簡単なミスだと文字入力の誤字脱字。
複雑なミスだと、印刷のデータ作成時の設定ミス。更には常に進化するDTPシステムの中で起こりうる、予期せぬミス。
実に様々なミスに悩まされてきました。

ミスが起きた時に、最初に会社側が聞いてくるのが「何でミスしたんだ」ということでした。
自分一人の不注意で起きたミスなら反省するだけで済みますが、困るのが他部門との連絡ミス。営業から「こうやっといて〜」と言ったのに・・・制作する側は「そんな聞いてない〜」という事がよくありました。

こんなミスを無くすために、会社がするべきことは「誰がミスをしたか?何でミスをしたか?」と聞く前に、どんなプロセスでそのミスが発生したのか?なんですけどね。

私がいつも感じていたことは「会社は野球チーム」ということでした。
それぞれの部門(ポジション)があり、自分たちの役目をこなしています。しかし、他部門との連系もあり、自分のことだけやっていればいいという訳にはいかないはずです。
野球の守備を見ていれば解ることなんですが、一つの打球を数人が追いかけます。例えサードが捕れなくても、ショートが捕ってアウトにします。
また、ファーストがボールを追っかけたら、セカンドかピッチャーがファーストベースにカバーに入ります。さらには、キャッチャーもファーストに向かって走っています。送球がそれた時にカバーするためです。
これは外野からバックホームされる時も同じです。キャッチャーの後ろにボールがそれてしまった時のことを考えて、ピッチャーがキャッチャーの後ろに回ります。

野球はみんな自分のポジションを守りながらも、他のポジションの動きを見て、ミスが出たときのカバーをします。
会社の他部門との関係も、野球のような関係が作れたら、ミスは最小限に防げます。

これが実行されていたら、今回のJRの事故は絶対に起きていなかったと、私は思います。
運転士はオーバーランで発生した、1分30秒のミスを防ぐために、スピードという荒技で、一人で解決しようと焦っていたのではないでしょうか。
そして焦りからカーブでのスピードを落とすために、急ブレーキをかけてしまい、脱線という最悪の事態に陥ってしまったように思います。

今回の事故を教訓に、安全対策を徹底して欲しいですが、教訓というにはあまりにも多くの命を奪ってしまいました。
今一度、「人の命を預かって走っている」ということを、JRだけでなく各交通機関がしっかり心に焼き付けて欲しいと思います。
posted by island(ふくはらしゅんじ) at 22:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 私の思うこと
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