2018年09月10日

奄美の想い出話(ハブとケンムン)

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【昔ながらの奄美の風景】

昨夜は剣道のことをつぶやきましたので、今回はまたまた奄美の想い出話シリーズ。

今回はハブとケンムンについてです。
こう書くと、まるでハブとケンムンを見たような文章ですが、見ていませんし、見てたら大変な事です(笑)
特にケンムンは(^^;)

まずケンムンの正体について記しておきます。
ケンムンと言うのは、奄美に住む妖怪のような存在。
本土で言うと、河童の存在に近いかな。

ハブに関しては説明する必要もありませんね。
猛毒の蛇で、奄美諸島と沖縄に生息しています。

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【猛毒のハブ 写真は奄美まるごと情報局さんから】
http://info-amami.net

まずはハブのお話から。
奄美に帰省しても、ハブにお目にかかる事は、まずありません。
よほど山の中に入って行くか、かなりの田舎に行かないと、滅多に見れるものではありません。

私が幼い頃には、よく町中でもハブが出ました。
特に小学校では、飼育小屋があったので、鶏やウサギを狙ってハブが出たものです。
小学校が山沿いにあったので、余計にハブの出やすい環境だったのでしょうね。

小学校に入学した時に、先生から言われた注意事項が、今も頭を離れません。
「学校に来て、教科書を机に入れる前に、必ず机の中を見なさい。」
何故だかわかりますか?
そう、ハブが潜んでいる可能性があるから。

まさか?と思うでしょうが、当時、本当に注意事項として言われました。
実際に机の中にハブがいた事はありません。
ただ、飼育小屋にはよくハブが出ました。
だから、飼育小屋に入るときも、必ず上を確認するように言われました。

実際に私も飼育係りになったときは、上を確認して、ハブを見つけたことがあります。
その時は、用務員のおっちゃんを呼んできて、ハブを捕まえてもらいます。
捕まえたハブは、おそらくハブセンターに売られたと思う(^^;)

しかし、現在はハブの出る環境ではなくなっているので、滅多にハブを目にする事は無い。
だから私も、大人になってからは、ハブを目撃していません。

ただ今回の帰省でハブの存在を間近に感じた時がありました。
それは、加計呂麻に渡った時。
加計呂麻の実久(さねく)と言う所に行った時の事です。

そこは本当に小さな小さな村落で、昔ながらの家と昔ながらの石垣が残っている風景でした。
本当に時間が50年前で止まってしまったような風景。
私が幼少の頃に見ていた風景が、そのまま残っている村落でした。

その石垣の道を歩いていると、5m間隔くらいで、棒が置いてある。
石垣に立てかけてあるのです。
私はそれが何かすぐにわかりましたが、子供達に「なんだと思う?」と聞いても、誰もわかりません。

その棒は、ハブが出てきた時に、ハブを追っ払うための物。
5m間隔で置いてあると言う事は、それだけハブが頻繁に出ると言う事です。
私たちが来た時は、真昼間なので、ハブは出て来ません。
しかし、これが夜なら、きっとハブと遭遇していた可能性が高いのです。
やはり今でも、昔ながらの田舎に行けば、ハブは身近な存在だと言う事を、改めて感じました。

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【道のいたるところにあったハブよけ棒】

続いてケンムンのお話です。
ハブと違い、ケンムンは実在するのか?わかりません。
昔の人は、ケンムンを見たと言う人が結構いた。
山に入って、道に迷ったりすると、ケンムンに化かされた。と昔の人は考えたそうです。

実際に山に入ってなかなか戻ってこなくて、迎えに行ったら、すでに気が狂った状態で見つかった人もいるようです。
また、昔は塩づくりのために、浜辺で海水を炊いていた。
冬場などは、海から上がって来たケンムンが、その焚き火に当たって暖を取ったと言います。

ケンムンの大好物は貝。
ガジュマルの木の下に、貝殻がたくさん落ちている事があり、ケンムンが食べた後と言われています。
どこまで本当かは、わかりません。
ただ、それくらい、奄美の人にとって、ケンムンは身近な存在なのです。

私が高校生の頃。
近くに住んでいた姉が、飼っていた犬を連れて、良く家に来ていた。
その犬を連れて散歩に出た時がある。
遊歩道を歩いて、近くの海岸に散歩に出た。

すると、犬がやたらと山に向かって吠える。
山には何もいる気配は無い。
しかし、唸り声をあげながら、ずっと山に向かって吠えていた。

私と姉は、顔を見合わせて、お互い無言でうなづいた。
そう、きっとケンムンが居るんだと、2人で察知したのです。
でも、「屋根のないところで、ケンムンの話をするな」と昔から聞いていたので、家に帰ってから2人で、「きっとケンムンがいたのだろう」と話しました。

さて、今回の帰省で、ケンムンを見たわけでない。
しかし、「そうかも」と思える出来事が。
奄美から戻る前夜のこと。
星空が綺麗だったので、夜空の写真を撮ろうと、私と嫁さんと息子で出かけた。

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【天の川も見えて夜空が綺麗でした】

ちょっと山を登ったところに、街を見下ろせるパーキングエリアがある。
そこで夜空の写真を撮ろうと、駐車場でカメラを構えていた時のこと。
なかなか上手くいかなくて、ようやく夜空が撮れだした頃。

息子がふと「なんか獣くさいなぁ〜」と言い出したのです。
嫁さんが「変なこと言わんといて」と言うが、息子はお構いなく「獣くさい」と言う。
私は「これは・・・」と思い、何も言わずに写真を撮り続けた。
嫁さんもケンムンの話は、聞いた事があるので、きっと気になったのでしょう。

家に戻ってから、息子にそのことを伝えました。
息子曰く、牧場っぽい匂いがしたとの事。
私には感じなかったのですが、息子にだけ感じたのでしょう。
もしかしたら、夜中に人がいるので、ケンムンが見学に来ていたのかも知れませんね。

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【写真はウィキペディアから https://ja.wikipedia.org/wiki/ケンムン】

目に見えなくても匂いだったり、気配だったり感じることもある。
妖怪のように恐ろしい存在ではないが、時には人間に悪さをすることもある。
それが、奄美に伝わるケンムン伝説です。

今回は実在するハブと、実在するかも知れないケンムンのお話でした。
次回は実在した女性の悲しくて恐ろしい物語のお話をしたいと思います。
posted by island(ふくはらしゅんじ) at 23:34 | Comment(0) | 日記