2011年05月12日

もうひとつの絵本「バナナムーン」

110512.jpg

お昼前に電話が鳴った。
東京都からの電話。
てっきり仕事の電話だと思って出たら、ARTBOXさんからの電話でした。

私が初めて絵本を出版したのが、ARTBOXさんの絵本新人賞で受賞した「バナナムーン」です。
もう6年ほど前の話になります。
何せ初めての絵本公募で、初めての受賞、初めての出版と言う事で、本当にドキドキワクワクだったのを覚えています。

で、そのARTBOXさんからの電話は、ちょっと残念なお知らせでした。
今回の震災を受けて、在庫書籍の処分を行うとの事。
流通経費や書庫代等の関係で、在庫書籍を処分する判断に至ったようです。
どこも大変な時期ですからね、致し方ないのでしょう。

私の絵本の「バナナムーン」も60冊ほど在庫があるらしい。
処分と言う事は廃棄と言う事になります。
ARTBOXさんも廃棄するよりは、安くで著者さんに買ってもらいたいとの判断のようです。
格安で購入できるので、いかがですか?との案内でした。

何か今回の「クジラのゆめ」の出版と同時に出てきたこの話。
まるで「バナナムーン」が、「ぼくの事も忘れないで」と言っているように思えた。
決して初めての出版である「バナナムーン」を忘れたつもりはないが、やはりどうしても今回出版の「クジラのゆめ」に意識が向く。
最初はどうしようか迷ったのですが、自分の初めての絵本「バナナムーン」が廃棄されるのを想像したら、とても悲しくなりました。
6年前のドキドキワクワク感を思い出したら廃棄なんてさせられないと思えてきたのです。

出版した本って、自分の知らないところで本屋さんに並び、全く知らない人が手にする。
自分の知らない所で、沢山の人に見てもらって、沢山の子供が手にする。
本は自分の分身でもあり、自分の子供みたいな存在となる。
そんな存在を廃棄するなんて、やはりそれは悲しい。

ARTBOXさんからは案内のFaxを頂いているので、明日にでも購入する方向で返事をしたいと思います。
私の手元にも「バナナムーン」は無かったので、ちょうど良い機会だと思います。

それにしても不思議なタイミングです。
2作目の「クジラのゆめ」が出版されたと同時に、1作目の「バナナムーン」の話が出てくる。
本当に自分の子供が「ぼくを忘れないで」と語りかけてきたみたいで、何とも不思議な気持ちです。
在庫処分は寂しい事ですが、廃棄される前に私の手元に呼び寄せたいと思います。
そして、手元に届いたら「おかえり」と言ってあげたいです。
posted by island(ふくはらしゅんじ) at 23:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 絵本