2009年10月31日

日本人とデザイン

私は現在、グラフィックデザイナー&イラストレーターとして活動をしています。
しかし、元々は某電機メーカーの技術者でした。
子供の頃から絵を描いたり、物を作ったりするのが好きだったので、その仕事に就いたのですが、私の考えたいた内容とは違い、思い切って脱サラしたのです。
その後、いくつかの印刷会社等で勤務して、現在フリーで活動しています。

グラフィックデザイナー&イラストレーターと書くと、まるで洒落たイメージですが、実際は毎日モニターとにらめっこする、地味で孤独な仕事です(笑)
でも、好きでやっている事なので、今の仕事に満足しています。
もうちょっと仕事が増えて、もっと収入が増えて安定してくれたら言う事は無いのですが(爆)

さて、厳しい現実話はこれくらいにして(笑)
本日はちょっとグラフィックデザインの事について、つぶやいてみたいと思います。
グラフィックデザインという言葉は、完全な外来語ですので、日本とは無関係のように感じませんか?
私も最初はそう感じていました。日本はデザインに関しては後進国で、欧米の後を追っかけているのだと思っていました。
ところが、ある講座を受けてその考えを改めました。

それは今から10年以上も前の事です。
まだ、印刷会社でグラフィックデザイナーとして勤務していた時に、講座の案内があり受けてみたのです。
デザイン全般に関する講座だったのですが、とても印象に残った話がありました。

それは、西洋のデザインは追加するデザインで、日本のデザインは省くデザインだと言う事です。
最初は何の事だろう?と思って聞いていましたが、その講師は鉋(かんな)を例に出して説明しました。
西洋の鉋はいろいろと飾り付けをされているのに対し、日本の鉋はとてもシンプルだと言うのです。
その時は写真も実際に見せて説明してくれたので、とても印象に残りました。

実際に現代の西洋鉋と日本の鉋を比べてみましょう。
【西洋の鉋】
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【日本の鉋】
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どうですか?同じ事に使う道具なのに、形がこうも違う。
講座の時に見た写真は、もっと昔の鉋で西洋鉋には、いろんな装飾がされていた記憶があります。
日本の鉋は昔も今も形はほとんど変わりません。
西洋のデザインはいろんな物を追加するけど、日本のデザインはシンプルに最低限必要なものしか使わない。
この差がデザインとして現れているのです。

講座を受けてからしばらくして、さらに日本のデザイン性を誇れる内容がありました。
テレビ番組で(番組名等は忘れました)日本の浮世絵がグラフィックデザインの基礎になっているという内容でした。
浮世絵とグラフィックデザイン。全く眞逆のイメージがありますが、実は浮世絵こそグラフィックデザインの要素を含んでいるのです。

西洋の絵画と浮世絵を比べてみましょう。
【絵画】
091031-4.jpg

【浮世絵】
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絵画は実にリアルに正確に模写されていますが、有名な浮世絵・写楽の方は何とも単純ですよね。
ここにグラフィックデザインの要素が含まれているのです。
見せたいものを目立たせる技法。
背景が一切描き込まれていません。色もベタ塗りに近いです。
一番見せたい物のために、無駄なものは全て排除する。

日本人は本当はデザイン性にとても優れた民族なんだと、私は思います。
道具一つにしても、色の使い方にしても、シンプルで飽きが来ない。
最初は日本人はデザインで遅れていると思っていたのですが、実は世界をリードしているのだ!!と思うようになりました。

戦後、何でもアメリカの真似をしてきた日本。
でも、本当は真似なんかしなくても、素晴らしいものを持っているのですよね。
もちろん世界の国々には、それぞれの良さがありますが、私たちは日本人です。
まず、日本の良さを十分理解してから、世界の良さを取り入れても遅くないと思います。

これからは、もっともっと日本の良さを、デザインやイラスト等に取り入れていけたらと思います。
posted by island(ふくはらしゅんじ) at 23:54 | Comment(2) | TrackBack(0) | アート