2004年05月26日

田中一村

お知り合いの方のサイトでちょっと話題になっていましたので、つぶやいてみたいと思います。
皆さん田中一村という画家をご存知でしょうか?
奄美大島の風景を描いた画家です。しかし奄美大島の人ではありません。
もともとは栃木県の方なんですが、たまたま立ち寄った奄美で、その自然にほれ込んで定住してしまったのです。

奄美で絵を描くために、大島紬の工場で働き、画材道具を仕入れて、スケッチをしていたそうです。
その頃は、全くの無名ですから、島の人間からすれば全くの変わり者に写ったらしいです。

結婚もせず、一人で生活をして、時間さえあればスケッチブックを抱えてスケッチに出かける。
さらに島の人間なら「ハブが出る」と恐れる薮の中に入り込んで、一日中座り込んで絵を描いていたらしいですから、誰でも「変わり者」と思うでしょうね。

私が幼い頃に、「絵を描いているおじさん」として、確かに話題になっていました。ホントに幼い頃なので、記憶があいまいですが、私もスケッチブックを抱えて歩いているおじさんを、見たような記憶があります。
一村が住んでいた家は、私の実家から数キロしか離れていませんでしたので、実際に道ですれ違っていても不思議ではありません。

当時は変わり者として見られていましたが、一村の死後、その絵は日の目を見ることになります。
それからは、またたく間に一流画家としての名声を欲しいままにしています。

田中一村の絵は、まさしく生涯をかけて、命をかけて描いた絵です。
だからこそ多くの人の心を捕えて放さないのでしょう。

私自身、田中一村の絵の凄さを知ったのは、卒業して島を離れてからでした。
絵に描かれた風景は、まさしく私が生まれ育った風景であり、懐かしさと共に、自分自身への不甲斐なさが沸き上がってきます。
島で暮らしている時には、あたりまえの風景で、何も感じずに生きていました。しかし、田中一村の絵によって自分の故郷の美しさを再認識させられたのです。特に奄美の森の美しさを。

この年になって、自分の故郷の美しさ・文化を、自分なりの形で表現できないか、と考えるようになりました。
今はまだ、ぼんやりとしか見えていませんが、将来私なりの奄美を描いてみたいと思います。

皆さんも是非、田中一村の絵を一度は見てください。
命をかけて、人生をかけて描きあげた、力強くも繊細な絵に心を奪われると思います。
posted by island(ふくはらしゅんじ) at 23:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | アート